性格の「陽キャ/陰キャ」といった社交性の傾向は環境だけでなく遺伝要因も関わる可能性があるとして、seeDNAは遺伝子検査サービス「DNAスコア」に性格に関連する遺伝的傾向を調べる新項目を2025年12月29日から追加します。サービス自体は同年12月4日に開始しており、検査は頬の内側を綿棒で擦って返送する方式で、最短3日で結果を確認できるとしています。
性格形成を巡っては、九州大学の研究として、大学生時代の性格に小学生時代の友人関係や親子関係など幼少期の経験が大きく影響する一方、要因は多岐にわたり単純ではないと示唆されています。seeDNAはその要因の一つに親から受け継ぐDNAを挙げ、「変えたいと思っても変えにくい」背景に遺伝が関係し得ると説明します。
海外研究(カナダ・トロント大学)にも触れ、集団の中心にいる度合いを示す指標「媒介中心性(人と人をつなぐ橋渡しの位置づけ)」と関連する遺伝子として「DOKB(degrees of Kevin Bacon)」が見いだされ、発現レベルが高いほど媒介中心性が高い傾向が示されたと紹介しました。さらに日本の高齢者研究として、社交的でコミュニケーション能力が高いタイプは脳の萎縮が少なく認知症リスクが低いという結果にも言及し、社会的つながりが脳の健康に影響する可能性を示しています。今後は、遺伝傾向の把握と生活習慣・対人経験の改善をどう組み合わせるかが、個人の行動変容や予防アプローチの実効性を左右しそうです。
