ONFET PTE. LTD.(シンガポール)は、介護現場で使われる「24時間シート(24Hシート)」をデジタル化し、AIによる多言語対応とブロックチェーンによる改ざん耐性を組み合わせた次世代24H介護記録システムを開発しました。公開は2026年5月を予定しています。外国人介護職員の増加に伴う言語の壁と、介護記録の真正性(改ざんや事後編集への疑念)という2つの課題に対応します。
24Hシートは、起床・就寝、食事、排泄、入浴、活動などを24時間の時系列で記録し、利用者の生活リズムを可視化する手法です。一方で、詳細な記録作業は現場負担になりやすく、情報共有の遅れや記録品質のばらつきも起こり得ます。
新システムは、入力・閲覧を母国語で行えるようAI翻訳を搭載し、対応言語としてベトナム語、タガログ語、インドネシア語、英語、中国語、ミャンマー語などを挙げています。また、身体部位の状態入力を画面上の部位選択で補助するなど、視覚的な操作も取り入れるとしています。
記録の信頼性面では、同社開発のブロックチェーン技術「TSURU」を使い、入力時刻のタイムスタンプとともに分散型台帳に保存することで、削除や書き換えを技術的に困難にし、「いつ、誰が、何を記録したか」を検証可能にする狙いです。今後は、介護現場の運用要件に合わせた導入形態や対応言語の拡充が、普及の焦点になりそうです。
