内閣府ムーンショット型研究開発事業「目標1」に採択されている金井プロジェクト「Internet of Brains（IoB）」のサイエンスコミュニケーション企画『Neu World』は2025年12月31日、SF作家・蝉川夏哉さんの新作短編「いつでもそばに」を公式サイトで公開しました。舞台は2050年の東京で、老舗蕎麦屋を切り盛りする次男が、父の技術と記憶を受け継いだサイバネティック・アバター（通称ロボ店長）と働く日常が描かれます。長年店を離れていた兄が「長男が継ぐ」と通告し、居場所を奪われかけた主人公が、アバター労働をめぐる新制度に希望を見出して向き合う筋立てです。企画は最先端研究と社会の対話を物語で促す狙いで、IoBが目指す「身体的・知覚的能力の拡張」などの研究が生活に入るとき、どんな法律やルールが必要かという視点も織り込みます。法学面では、神経科学と法学の融合領域である神経法学を研究する憲法学者の小久保智淳さん（東京大学大学院情報学環助教）が協力しました。感想はSNSでハッシュタグ「#NeuWorld」を付けて投稿するよう呼びかけており、今後は読者の意見を対話の材料として、技術の社会実装に伴う制度設計の議論を深めていく方針です。
