フィジカルAIを製造業向けに開発するスタートアップZREK(ゼレック、東京都渋谷区)は、NC旋盤など工作機械のワーク供給・取り出し(ワーク脱着)を自動化するロボットソリューション1号機を、川崎市の大矢製作所に導入し実証稼働を始めました。カメラと超軽量AI(端末側で動くエッジAI)に協働ロボットを組み合わせ、現場で起きやすい位置ズレや品番変更、稼働中の途中補充・抜き取りといった変動を前提に自動運転を狙います。工作機械の自動化では加工そのものより、ワークの段取りや取り回しがボトルネックになりやすいのが課題です。同社は、扉・チャック・エアブローなど工作機械側I/O(入出力)も含めてロボットと統合制御し、タクト短縮と安定稼働につなげるとしています。省スペースの自動化セルとして既存設備へ後付けしやすい点も打ち出し、必要時に持ち込む運用も想定します。今後は実証の運用データを基に機能を磨き、クラウドGPUと連携したモデル更新や品番追加の柔軟化を進める方針です。商社、設備メーカー、SIer(システムインテグレーター)との協業も強め、工作機械現場への展開を加速させる考えです。
