株式会社ラグロフ設計工房(岡山市)は、河川・砂防分野の設計判断を「再生産可能な社会インフラ」として構築する方針を示しました。国土強靭化で施設整備が進む一方、現場での判断や知見が個人に依存し、蓄積・再利用されにくい構造課題があるとしています。

同社は、地形・地質の複雑さや災害対応の即時性、設計から施工・維持管理までの分断により、経験依存の判断が常態化しやすいと説明します。その結果、判断の過程や根拠が次の案件につながりにくい局面が生じるとして、技術者個人の能力ではなく仕組みの問題として捉えます。

防災DXは「業務効率化」にとどめず、設計判断と現地状況を記録して接続し、再利用できる状態へ変える手段に位置付けます。河川監視や斜面状況把握のモニタリング強化に加え、画像・データ起点で判断に到達する導線づくり、AIによる判断根拠の抽出・比較・継承を掲げました。砂防設計の自動化も省力化が目的ではなく、根拠を組織に定着させ、人が高度な判断や説明、合意形成に集中できる状態を目指します。今後は、同社が試行錯誤してきた16年分の知見も活用し、河川監視、AI、モニタリング、砂防設計自動化を一体で進める考えです。

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