アークエッジ・スペースは2026年1月、現社名への変更と資金調達開始から5年の節目を迎え、代表取締役CEOの福代孝良氏が「衛星開発・運用の成果が具体化し、次の挑戦局面に入った」との認識を示した。資金面では2025年1月末のシリーズBで80億円を調達し、累計調達額は107億円に達している。運用面では2026年1月時点で計8機(6U衛星7機、3U衛星1機)を運用し、開発・運用した衛星は累計12機、共同運用などで参画した衛星は累計17機としている。技術実績としては、6U級で世界最高水準という地上分解能の達成、ハイパースペクトル画像(多数の波長帯で撮影し成分差まで分析しやすい画像)の取得、ショートメッセージ送受信、超小型推進器の実証、船舶情報取得などを挙げた。運用インフラでは地上局を静岡県牧之原市に加え北海道大樹町でも稼働させ、2拠点体制で衛星運用を進める。データ事業では衛星データと地上データを統合しAIも用いるサービス基盤「ArkEdge Insights®」を立ち上げ、パラグアイ宇宙庁に採用されたほか、環境省SBIR採択案件として生物多様性保全などの実証を進めているという。海外展開では南米、中央アジア、アフリカ、ノルウェーなどと「10カ国・25件」の覚書等を締結し、実証やマスタープラン作成、FS(実現可能性)調査を推進する。加えて月インフラ・深宇宙分野では日欧共同開発「コメット・インターセプター」や、宇宙戦略基金による月の測位衛星の受託開発が進むとした。2026年は研究開発中心から社会実装と事業化へ踏み出す正念場と位置づけ、危機対応と構造的課題解決に資するインフラ構築を目指す考えで、今後はデータ基盤の利用拡大と国際連携の具体案件化が焦点になりそうだ。
