千葉大学病院と理化学研究所は、再発・進行頭頸部がんを対象に、iPS細胞から作製した免疫細胞「iPS-NKT細胞」を腫瘍を栄養する血管(腫瘍栄養動脈)へ直接投与する第I相医師主導治験を行い、CTで評価できた8人中5人で腫瘍が安定し、うち2人で腫瘍増大の抑制が確認されたと報告しました。完全版論文は2025年12月30日付でNature Communicationsに掲載されています。治験は単施設・非盲検・非対照の用量漸増で、第1用量3人、第2用量7人の計10人が対象です。iPS-NKT細胞は2週間間隔で最大3回、腫瘍栄養動脈内に投与され、期間は2020年10月14日から2023年8月31日でした。免疫学的には、効果が示唆された2人で、NKT細胞の作用で増強される細胞傷害性T細胞の増加が観察されました。安全性では、因果関係の可能性がある重篤度の高い副作用として、アレルギー反応による皮膚発疹(薬疹)が報告されています。iPS由来細胞は凍結保存と計画的な増殖が可能なため、今後は投与設計の最適化や併用療法の検討を通じて、有効性の確証を得る段階へ進むかが焦点になりそうです。
