百貨店の売場運用では、固定化した構成だけでは来店動機を保ちにくいとして、「変化」を前提にした設計が論点になっています。2026年1月9日には、日本百貨店協会の賀詞交歓会で、株式会社平和マネキンが関係者と売場運用の現状や今後のあり方を意見交換したとしています。

百貨店はチェーン小売のような全国一律モデルではなく、いつ・どこで営業するか(立地)や誰に向けるか(商圏)、館の歴史によって役割が異なります。そのため売場も「均一化」より、館ごとの価値最大化が優先されやすい一方、更新頻度が落ちると新鮮さの提供が難しくなります。

背景には建物・設備の制約があります。天井高、躯体、搬出入動線など物理条件は短期で変えにくく、改装やレイアウト変更の機動力を下げ、什器配置や売場構成が固定化しやすい要因になります。それでも百貨店は街の要所にあり、信頼や安心感といった「場」の強みを持ちます。空間演出が高度化しても、人の佇まいを想起させる表現など“人の存在”は物語性や温度を生み、体験価値を支えるとされます。

今後は、短期企画や年間更新を運用に組み込み、売場を完成形ではなく継続更新する空間として扱う視点が広がりそうです。EC拡大下でも、リアルで生まれた興味を再訪やオンライン接点につなぐ設計が鍵になるとみられます。

Share.