日本システム技術(JAST)は、メディカルビッグデータ「REZULT」を用い、スイッチOTCと同じ成分を含む医療用医薬品の院外処方を分析した。2024年度(2024年4月~2025年3月)の院外処方全体に対し、対象医薬品は薬剤料で約3%、調剤件数で約10%を占め、仮に同成分がすべて保険給付見直しの対象となり薬剤料が全額自己負担になった場合、2024年度ベースで約1,800億円の医療保険給付が減少する可能性があると試算した。調査は厚生労働省が公開する「日本におけるスイッチOTC成分(94成分)」と同一成分を含む医療用医薬品(成分量・用法は不問)を対象に、調剤レセプト上の薬剤料と調剤件数を集計した。年代別では薬剤料・件数の割合に大きな偏りが小さく、世代を問わず一定の需要が示唆されたという。成分別では上位5成分で薬剤料・調剤件数ともに全体の50%以上を占め、処方が特定成分に集中する傾向もみられた。背景には、2025年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025」でOTC類似薬の保険給付の在り方を見直す方針が示されたことがあり、同社は患者負担の増加が受診行動に影響する可能性もあるとみている。今後は、対象成分の選定や影響評価の進み方次第で、医療保険財政と患者負担、医療機関の処方行動に与える影響の検証が求められそうだ。
