岡山大学などの国際共同研究チームは、長さ0.2mm未満の短炭素繊維をエアロゾルとして吹き付けるだけで、バインダーを使わずに高速で立体成形できる新技術「繊維エアロゾル堆積法(FAD)」を開発しました。垂直方向の最大成長速度は0.3mm/秒で、従来の3Dプリンティング技術を大幅に上回るとしています。
最大の特徴は、従来のエアロゾル堆積法(AD法)で想定されてきた「衝撃固化」ではなく、繊維同士が摩擦で絡み合って固まる「摩擦による絡み合い(Frictional Entanglement)」が成形を支配することを、世界で初めて示した点です。研究チームはSEMおよびX線CTで内部構造を解析し、表面近くでは比較的長い繊維が垂直に配向したフレームを形成し、内部は短い繊維がランダムに高密度充填する構造を確認しました。
この結果、バインダーなしでも高い機械強度が得られることを確認したとしています。背景には、リサイクル炭素繊維を含む多様な短繊維の有効活用を進め、水処理フィルターや次世代電極材料の開発を加速したい狙いがあります。論文は2025年12月にMaterials & Designに掲載され、岡山大学は2026年1月29日に内容を公開しています。
今後は、炭素繊維に限らず長軸構造を持つ短繊維材料へ適用できる可能性があるとしており、材料ごとの成形条件や得られる機能の探索が進めば、新たな機能性素材の創出につながるとみられます。
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論文(Materials & Design)DOI: 10.1016/j.matdes.2025.115195
論文URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264127525016168
研究内容PDF: https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20260129-2.pdf
岡山大学 該当ページ: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1490.html
