熊本大学大学院先端科学研究部の岡島寛准教授らは2026年2月16日、停電や道路被害などのインフラ復旧状況と各家庭の備蓄の程度を明示的に考慮し、震災時の避難者数の推移をより正確に予測する新しい数理モデルを開発したと明らかにしました。論文は2月15日に「システム制御情報学会論文誌」に掲載されました。
従来の避難予測モデルでは、物資不足を抽象的な要因として扱うケースが多く、発災後の店舗稼働や物流制約が避難行動に与える影響を細かく反映しにくい課題がありました。今回の研究は、2021年に発表したモデルを発展させ、物資不足の発生をより現実の状況に近づけた点が特徴です。
新モデルでは、停電被害と道路被害を店舗の稼働状況に影響する要因として明示的にモデル化しました。さらに、物資不足率をライフライン被害率(電気・道路)と備蓄パラメータαで特徴付け、避難要因(家屋倒壊、ライフライン被害、精神的不安、物資不足)ごとに潜在避難者を分け、避難継続や帰宅の判断まで扱えるようにしています。自治体の支援計画や物資配分の最適化を、定量的に支える狙いです。
今後は実際の震災データで検証を進め、自治体と連携して実運用に向けた研究を広げる予定です。備蓄推進や輸送インフラ強化といった政策の効果を事前に評価するツールとしての活用も見込まれます。
【関連リンク】
掲載雑誌URL: https://www.iscie.or.jp/pub/journal
詳細URL: https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/20260216
関連URL: https://www.control-theory.com
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避難者数の経時変化を精緻に予測-インフラ復旧状況と備蓄から読み解く災害支援-
