株式会社Gel Coat Biomaterials(東京都文京区)と東京大学、ダイセン・メンブレン・システムズの研究チームは、中空糸膜フィルターのタンパク質吸着による目詰まり(ファウリング)を抑えるハイドロゲル・コーティング技術の有効性を示し、論文が2026年2月19日にMRS Communicationsへ掲載されました。膜内側に厚さ20ナノメートルの被膜を均一形成し、未加工膜比で透過性を50%以上維持しながら、250分経過後も性能が安定したとしています。

中空糸膜は、医薬品やワクチンの分離・精製、医療診断などのろ過工程で使われますが、膜表面や細孔にタンパク質が付着すると流量が落ち、寿命短縮や洗浄・交換回数の増加につながります。市場規模としては、ろ過・分離関連が年間250億ドル(約3.8兆円)とされ、運用コストに直結する課題でした。

研究チームは、タンパク質を寄せ付けにくい性質と膜への定着安定性を両立させるため、親水性ユニット、疎水性ユニット、界面結合性ユニットを組み合わせたハイドロゲルを設計しました。中空糸膜の内側に、浸漬(ディップ)して加熱乾燥する加工で極薄に形成できる点も特徴で、厚膜化で透過性が低下しやすい従来のトレードオフを抑える狙いです。

今後は、セルロース系以外の医療用ポリマー(シリコーンゴム、各種プラスチック)への転用や、モノマー配合比率の調整で用途別に最適化できる可能性があるとしています。バイオ精製コストの低減、診断分野の処理安定化、透析・血液浄化機器でのフィルター交換頻度低減やダウンタイム削減への波及が焦点になります。

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公式HP:https://www.gelcoatbio.com

PRTIMES

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