熊本大学病院など全国45施設は、脳梗塞既往のある非弁膜症性心房細動患者を対象に、直接経口抗凝固薬エドキサバンの抗凝固療法単独と、抗凝固療法+カテーテルアブレーションを比較する前向きランダム化比較試験(STABLED試験)を行い、主要複合評価項目の発現率は標準治療4.9%/100人年、アブレーション併用5.6%/100人年でした。ハザード比は1.11(95%信頼区間0.62~2.01)です。
対象は脳梗塞発症後1~6か月の患者(20~85歳、mRS3以下)で、2018年3月に登録を開始し、2021年7月に251例を登録、解析対象は249人(平均71.7歳、男性75.1%)でした。標準薬物治療群124人とアブレーション群125人に無作為割付し、最短3年以上追跡して脳梗塞再発、全身性塞栓症、総死亡、心不全入院を評価しました。
背景として、心房細動関連の脳梗塞は再発リスクが高く、抗凝固療法下でも年間7~10%の再発が報告されています。アブレーションは不整脈の治療法で洞調律維持に役立つ一方、脳梗塞後早期の高齢患者では安全性も論点で、本試験ではアブレーション関連の有害事象として心タンポナーデ1件(0.8%)と脳梗塞1件(0.8%)が確認され、死亡率は標準治療1.0%/100人年、アブレーション併用2.8%/100人年でした。
観察は2024年3月に終了し、結果は2026年3月2日(米国時間)にJAMA Neurologyに掲載されました。標準治療へのアブレーション追加で主要転帰の有意な低減は示されず、二次予防としての併用は患者のリスクとベネフィットを踏まえ慎重に判断する必要があるとしています。
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詳細URL:https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/byouin/20260303
