タワーマンションの表面利回り調査で、江東区「豊洲シエルタワー」の平均表面利回りが11.5%と最も高い結果になりました。上位50物件(同率含み52物件)のうち、表面利回り10%超は6物件、9%台が17物件、8%台が29物件と、高水準の利回り物件が多く確認されています。
調査は、不動産ビッグデータとAIを活用する株式会社マーキュリーが、自社サービス「Realnetマンションサマリ」のデータを用いて実施しました。対象は、首都圏・関西・東海の20階建て以上の分譲マンションで、直近1年間(2024年9月~2025年8月)に分譲賃貸として流通した住戸です。各住戸の賃料と新築時価格から表面利回り(年間賃料を購入価格で割った単純利回り)を算出し、物件ごとに平均値を求めています。
エリア別では、1・2位は東京23区湾岸の江東区でしたが、ランキング内で最多は大阪市西区の8物件でした。大阪市全体では7区20物件が上位入りし、利回りの高い物件は大都市の都心部に分散していることが分かります。竣工年は2005~2007年完成が中心で、上位物件の約6割が築20年前後、最も新しい物件でも2015年竣工と築10年でした。新築価格が比較的低かった時期に購入したタワーマンションは、現在貸し出しても高い利回りを得やすい傾向がうかがえます。
一方で、好立地のタワーマンションであっても、必ずしも高利回りになるわけではなく、新築分譲時価格と現在の賃料水準のバランスが収益性を左右する点も明らかになりました。今後は金利動向や新築価格の水準、賃貸需要の変化が、タワーマンション投資の利回りにどの程度影響するかが焦点となりそうです。投資家や所有者にとっては、売却か賃貸かを判断する際、購入時期と現在の賃料相場を踏まえた精緻な収益シミュレーションが一層重要になるとみられます。
source: PR TIMES
