経営コンサルティングファームのローランド・ベルガーは、アジア地域の産業構造と供給網の変化を分析したレポート「アジアサプライチェーンの再構築」を公表しました。米中対立を背景に世界経済が多極化する中、日本企業でも生産拠点や調達先をアジア各地域に分散させる「サプライチェーンの地域化」が加速しており、同社はその戦略構築を支援するとしています。

レポートでは、日本、中国、韓国、東南アジアの産業構造の違いや、貿易・投資の流れといった定量データをもとに、サプライチェーン再編の方向性を整理。かつて「世界の工場」だった中国が巨大な消費市場へ転じた一方、日本は自動車や産業機械、化学など高付加価値分野に強みを残し、アパレルや家電など消費財生産は他国シフトが進んだ現状を指摘します。

また、自然災害や国際紛争、サイバー攻撃、パンデミックなど多様なリスクが供給網を寸断する可能性を数値事例とともに示し、拠点分散や在庫戦略の見直し、デジタル技術による可視化といったリスクマネジメント手法を紹介。日本の新たな成長に向け、既存の基幹産業を深堀りするのか、半導体のように官民一体で新産業を育成するのかといった政策・経営判断の分岐点も整理しています。

同社は今後もアジアの消費者動向や日系企業の海外戦略に関する知見を公開し、多極化環境に対応したサプライチェーン戦略の構築を支援するとしており、日本企業の競争力回復に向けた議論が一段と進むとみられます。

【レポート情報】

アジアサプライチェーンの再構築/ローランド・ベルガー

テーマ:アジア主要国の産業構造・供給網とリスクマネジメント

入手方法:同社日本法人サイトで公開

source: PR TIMES

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