世界15か国の生活者を対象とした消費者調査で、年末年始のギフトやお祝いに使う予算について「昨年より少ない」と答えた人が6割超に達したことが分かりました。一方で、Z世代やミレニアル世代では、限られた予算を「モノ」ではなく旅行やアクティビティなどの体験に振り向ける傾向が最も強く、ホリデーシーズンの消費構造が変化している様子が浮かび上がりました。
調査はオーストラリア、ブラジル、日本を含む15か国で実施され、家計負担の高止まりにより全体として節約志向が続いているとされています。年末年始に旅行へ支出すると答えた人は約70%と依然高水準ですが、その多くが「支出を減らす」「昨年並みに抑える」と回答し、移動や宿泊を楽しみつつも費用管理を重視する実態が示されました。
特に若年層では、ギフト選びでも物品より「思い出に残る経験」を選ぶ割合が高く、没入型のイベントやアクティビティに人気が集まっています。背景として、若者の価値観の変化に加え、コロナ禍で実感された「体験の希少性」や、時間の使い方の質への意識が影響しているとの分析も示されています。
今後、年末商戦では高額ギフトよりも、手頃な価格帯の旅行やレジャー、オンラインとリアルを組み合わせた体験型サービスへの需要が相対的に高まる可能性があります。一方で、家計の引き締め傾向が続けば、総消費額自体は伸び悩み、企業には価格と体験価値の両立が求められそうです。
【調査概要】
調査名:イプソスマーケットエッセンシャルズ2025年11月
対象国:15か国(日本、アメリカ、イギリス、中国など)
source: PR TIMES
