2026年1-3月期の国内企業の雇用意欲が、季節調整後の純雇用予測+18%となり、前四半期比+5ポイント、前年同期比+4ポイントとなりました。調査対象1,063社のうち「増員する」が31%、「減員する」が14%で、その差に季節要因を除く調整をかけた数値が純雇用予測です。新型コロナの影響が強まった2020年7-9月期以降で最も高い水準となります。

この調査は、東京・大阪・名古屋の9業種を対象に2025年10月1~31日に実施されました。業種別では9業種中8業種が増員予定で、「情報サービス」が純雇用予測+28%と最も高く、前期から3ポイント伸びました。一方、「公益事業/天然資源」のみ増員予測から外れました。企業規模別では、従業員1,000~4,999人の企業が+30%と突出しており、6区分中5区分で増員傾向です。世界41カ国・地域では平均+24%で、日本の+18%は依然として中位水準にとどまります。

雇用意欲の高まりの背景には、景気回復だけでなく、人手不足の深刻化があります。東京商工リサーチによると、2025年1-10月の「人手不足」関連倒産は323件で、2024年通年の292件をすでに上回りました。求人難や人件費の上昇が中小企業を中心に重くのしかかり、「攻めの採用」というより、事業維持のための「守りの採用」が広がっていると分析されています。

今後は、労働力依存度が高く自動化が難しい業種と、デジタル化・自動化により人員需要が縮小する業種との二極化が進む見通しです。企業は人材確保と同時に、生産性向上や業務の高度化を進められるかが問われており、2026年以降の雇用環境は「量の確保」から「質と効率」の競争へ移行するとみられます。

source: PR TIMES

Share.