2025年11月14日、岡山市北区の岡山大学津島キャンパス・創立五十周年記念館で、講演会「プラットフォーム事業者の攻防」が行われました。登壇したのは松島法明氏(大阪大学教授、公正取引委員会競争政策研究センター所長)で、経済学部生や大学院生、教員、学外の参加者が聴講しました。

松島氏は、検索やECなどのプラットフォームが複数の利用者群を仲介する仕組みを具体例で示し、利用者数が増えるほど便益が高まるネットワーク効果が競争を左右すると解説しました。一方で、規模拡大が参入障壁となりうる点や、運営者が自社サービスを有利に扱う「自己優遇」が取引先や消費者の選択肢を狭める可能性を、国際的な議論を踏まえて整理しました。

さらに、データの収集・分析が市場力に結びつく経路を取り上げ、データの集中が競争とイノベーションに与える影響、共有やアクセスの設計、透明性確保など、政策対応の論点を紹介。近年の各国の規制動向と競争政策の枠組みの違いも比較し、理論と実例の双方から検討しました。

講演後には質疑応答が行われ、現場の課題や研究の最前線に関する問いが寄せられました。デジタル市場のルール形成は今後も進む見通しで、学術と政策、産業の対話が実効性のある規律設計に不可欠だとする見方が示されました。

【関連リンク】

岡山大学経済学部 https://www.e.okayama-u.ac.jp/

岡山大学大学院社会文化科学研究科 https://shabun.ccsv.okayama-u.ac.jp/

岡山大学経済学会 https://www.e.okayama-u.ac.jp/staff-research/oea/

ポスター https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/event/flyer20251114_lecture.pdf

source: PR TIMES

Share.