豪州クイーンズランド州ブリスベンのCOMMODITY INSIGHTS PTY LTD(代表Mark Gresswell)は2月4日、石炭市場の展望記事「2026年の石炭市場テーマ」を公表し、供給制約の長期化とアジアの電力・鉄鋼需要拡大を背景に、2026年は石炭価格の下値が固まり回復基調が意識される年になると分析しました。前提として世界GDP成長率は3%超、世界の電力需要の伸びは約4%を挙げています。
供給面では、豪州クイーンズランド州の降雨影響などの混乱が続くほか、指数連動契約への移行で市場流動性(売買のしやすさ)が低下していると整理しました。豪州の原料炭輸出は2019年の約1億8,500万トンから2025年は約1億4,500万トンに減っており、数量面の制約も示されました。価格面では高品質強粘結炭が250米ドル/トンを突破した局面に言及しています。
需要面では、中国の2025年の鉄鋼輸出が過去最高の1億1,900万トン、2025年の風力・太陽光の新設容量が4億3,000万kWでも需要増を満たしにくい点を挙げ、2026年の中国の電力需要が7%近くに達する可能性を示しました。インドについても2025年の鉄鋼生産が前年比10%増で、鉄鋼セーフガード関税11~12%やコークスのアンチダンピング関税(60~130米ドル/トン)により、原料炭輸入が500~700万トン押し上げられる見込みとしています。
一方で、弱い中国景気や値引きされたロシア産炭が上値を抑える見通しも示し、供給安定性はコストインフレなどで懸念が残るとしました。2026年は「急激な受け渡しベースの石炭コスト高騰リスクは低い」とする見立てもあり、投資家・実需家は供給混乱の頻度とアジア需要の強さが、回復の持続性を左右する局面となりそうです。
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