スイスの高級時計ブランド「H.モーザー(H. Moser & Cie.)」は、日本法人「H.モーザージャパン株式会社」(東京都千代田区)を設立し、2026年1月1日から営業を開始します。日本では従来、代理店経由で展開してきましたが、日本市場の成長とブランド認知の高まりを背景に、直営体制へ移行します。

同社は1828年創設で、自社でムーブメント(時計内部の駆動機構)を一貫製造するマニュファクチュールとして知られます。年間生産は約4000本前後とされ、ロゴを排したミニマルな意匠と職人技の組み合わせを特徴としてきました。近年はF1のアルピーヌ・モータースポーツやNFL選手セイクワン・バークリーとの協業も行い、国際的な露出を増やしています。

新法人ではH.モーザーに加え、MELBホールディングス傘下の独立系時計ブランド「HAUTLENCE(オートランス)」も取り扱います。オートランスは2004年創業で、回転ディスクやジャンピングアワー(時刻表示が瞬時に切り替わる機構)、レトログラードミニッツ(針が戻る表示)など、機構表現を前面に出した前衛的な設計を強みとします。

直営化により、販売だけでなく顧客対応やブランド体験の設計を国内で統合できるため、今後は商品・サービスの提供スピードや情報発信が強まる可能性があります。一方で、具体的な販売網や店舗展開の詳細は現時点で示されておらず、2026年の営業開始以降の体制整備が注目されます。

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