11月17〜21日の5日間、日本でミャンマー宗教界代表団を迎えた民主化支援フォーラムが開かれました。中心となったのはミャンマー宗教間対話機構(MIDO)のウー・ワンナ会長とネピドー評議会地域諸宗教間対話機構のミョー・アウン議長ら。複数の宗教指導者と日本の民間関係者が参加し、武力に依らない市民中心の民主的プロセスが復興につながるとの認識を共有。集約した意見は、代表使節団からミャンマー暫定政府への陳情書として提出予定です。
討議は、日緬の人道支援連携、民主的選挙の実現に向けた課題と方策、宗教界の連帯による和平の進め方に焦点を当てました。宗教間対話(異なる宗教の指導者や信徒が対話し相互理解を深める取り組み)は、対立の緩和や地域の合意形成に資する手法として位置付けられ、参加者は「誰のための言葉か」を吟味しつつ現場の声を起点に進める重要性で一致しました。
背景には、主催側が現地で積み重ねた支援と対話の実践があります。2025年8月27日にはヤンゴンでミャンマー初の人権セミナーを単独開催。国内刑務施設への生活衛生物資の寄附や、収容中の政治犯の段階的解放を後押しする活動、人権法務のプロボノ支援を継続しています。宗教団体と連携した共同和平プロジェクトでは、離散した市民約9万人の帰還を目指す取り組みを推進。加えて、2025年3月の大震災時には発災後72時間以内に1万世帯規模の食糧支援を行うなど、数値で検証可能な活動実績を示しています。
MIDOは「宗教間の調和から平和へ」を掲げ、仏教・キリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教など多宗教が共存する同国で植樹、医療支援、文化交流といった協働事業を展開。宗教の枠を超えた対話は、政治的立場が分かれる局面でも合意の最小公倍数を探る基盤になり得るとの評価が示されました。一方で、現地の治安や情報の透明性には不確実性が残り、選挙プロセスや人道アクセスの持続性は外部環境に左右される可能性がある点は留保が付きます。
今後は、今回の議論を踏まえた陳情書提出と、日緬の民間・宗教セクターを軸にした支援の制度化が焦点です。対話の継続と人道支援の可視化(支援件数・受益者数・地域別配分の定量公開)が進めば、国際的な信頼性が高まり、復興資源の呼び込みにもつながる見通しです。ただし、政治・治安情勢の変化による計画修正のリスクは残り、段階的かつ検証可能な合意形成が現実的な道筋となります。
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