TOPPANホールディングスは、国際的な環境評価機関CDPの2025年度調査で、「気候変動」「水セキュリティ」の2分野とも最高評価Aリストに選ばれました。2分野同時選定は2年連続で、「気候変動」分野に限ると3年連続のAリスト入りです。CDPは2025年、運用資産総額127兆米ドル(約1京9,000兆円)の機関投資家640機関の要請を受け、世界2万2,100社超の環境情報を評価しており、その中での最高評価となります。

CDPは、企業や自治体の温室効果ガス削減、水資源管理などについて、目標の水準やリスク管理、情報開示を共通指標で採点する団体です。Aリストは、目標設定やガバナンス、開示が国際的水準で先進的と認められた企業に与えられます。CDPの評価は、投資家が気候・水関連リスクを判断する際のグローバルスタンダードとして活用されています。

TOPPANグループは「環境」を経営の重要テーマに位置付け、2050年を見据えた「環境ビジョン2050」と2030年度中長期環境目標を掲げています。2023年には「生物多様性の保全」を環境ビジョンに追加し、生態系保全や水の最適利用などの数値目標を拡充しました。2024年8月には、サプライチェーン全体(Scope1~3)を対象とする温室効果ガス削減目標が、科学的根拠に基づく削減目標を認定する国際イニシアチブSBTiから「ネットゼロ目標」として承認されています。

さらに2025年発行の「サステナビリティレポート2025」「統合レポート2025」では、気候変動を扱うTCFDと自然資本を扱うTNFDの枠組みを統合し、気候と自然を一体で捉えたリスク・機会分析を開示しました。こうした長期ビジョンや科学的な削減目標、水資源・生物多様性への対応が、CDPの質問票への回答内容と整合して評価されたとみられます。

今後は、CDPによる開示・評価の高度化に加え、EUのサステナビリティ情報開示基準(ESRS)など各国規制も強化される見通しで、同社の取り組みは投資家や取引先からの要請に応えるだけでなく、他社のベンチマークとして注目される可能性があります。一方で、ネットゼロ達成にはバリューチェーン全体での排出削減や水リスク対応が不可欠であり、サプライヤーや顧客との連携強化、技術投資の継続など、実行面での課題も残ります。

source: PR TIMES

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