東京都文京区の文京区立森鴎外記念館は、2026年1月18日から3月31日まで計66日間、コレクション展「鴎外と子どもたち―於菟、茉莉、杏奴、類が語るパッパ」を開催します。会場は展示室2、開館時間は10時から18時で、中学生以下は観覧無料、一般は300円、20名以上の団体は1人240円です。

森鴎外(1862~1922)は三男二女に恵まれた父親で、次男・不律を幼くして失いながらも、長男・於菟、長女・茉莉、次女・杏奴、三男・類の4人を深い愛情のもとで育てました。鴎外没後、昭和期に入ると4人には随筆執筆依頼が相次ぎ、文学者や陸軍軍医とは異なる、家庭内で「パッパ」と呼ばれた父の姿をそれぞれの言葉で描いています。

展示では、杏奴の短歌草稿に鴎外が朱筆で添削した資料(大正期)や、遺品寄贈の経緯を綴った於菟の『砂に書かれた記録』原稿(1965年)、鴎外との再会を夢に描いた類の『散歩』原稿(1967年)などを公開します。さらに、茉莉が父のまなざしを語るテレビ評『ドッキリチャンネル』原稿(1982年)、4人それぞれの随筆集、家族で遊んだとされる双六盤や、鴎外自筆で名を記した杏奴旧蔵のそろばんなど、生活のぬくもりが伝わる品々も展示されます。

これらの資料の多くは、1962年に於菟本人から、2006年に杏奴遺族から文京区へ寄贈されたもので、同館コレクションの中核を成しています。会期中は、展示解説やキャプションを収めたB5判・12ページのミニ展示ガイド(税込300円)を館内ショップと通信販売で提供します。

関連事業として、2月22日に作家・太田治子氏による講演会「父と子」(定員50人、無料・事前申込制)、2月11日と3月11日に学芸員によるギャラリートーク(各回約30分)を実施します。なお、鴎外の164回目の誕生日にあたる1月19日は無料観覧日となり、より多くの来館者が「パッパ」としての鴎外像に触れる機会となりそうです。

【イベント情報】

文京区立森鴎外記念館

東京都文京区千駄木1-23-4

休館日:1月26・27日、2月24~26日、3月23・24日

開館時間:10:00~18:00

source: PR TIMES

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