生成AIを用いた短編映画『誰にも祝われない夜に』が、「GMO DESIGN AWARD 2025」の映像・ビジュアル表現部門で最高賞となる最優秀賞とビジュアルクリエイティブ賞を同時受賞しました。制作したのは、クリエイティブAIによるコンテンツ制作やAIリスキリング研修を行うMETREA株式会社(東京都新宿区)で、国内コンテストでAI映像作品が2冠を獲得した形です。

作品は、戦争が始まる前夜という不安定な世界を舞台に、祝われない誕生日を迎えた少女ナナと、戦場に向かう前に子猫へミルクをあげたい少年アオの一夜を描きます。「生まれてきた自分」に向ける静かな“おめでとう”をテーマに、孤独や自己肯定感の揺らぎといった現代的な心情を物語化しています。声優は熊谷俊輝や藤寺美徳が担当し、映画『いなくなれ、群青』の柳明菜がプロデュースしました。

制作ではStable DiffusionやMidjourneyなど複数の画像生成モデルに加え、Wan2.5やKling2.5 turboなどの動画生成AI、Sunoによる音楽生成を組み合わせ、AfterEffectやDaVinci Resolveで編集するハイブリッド手法が採用されています。AIを「効率化ツール」ではなく、クリエイターの感性と組み合わせて物語性を強めるパートナーとして扱った点が評価されたとみられます。

GMOインターネットグループが主催する同アワードは、「“つくる”の可能性」を掲げ、AI活用を含む多様な表現を対象に2025年開催されました。今回の受賞により、国内の映像・デザイン分野で、AIを前提とした制作ワークフローが一層広がる可能性があります。一方で、人間の演出・脚本とAI技術の役割分担をどう設計するかが、今後のクリエイティブ産業の重要な論点になりそうです。

【作品・イベント情報】

AI短編映画『誰にも祝われない夜に』本編

https://youtu.be/XLSxk7-830U

GMO DESIGN AWARD 2025 公式サイト

https://gmo-design-award.com/

METREA株式会社 公式サイト

https://metrea.design/

source: PR TIMES

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