岡山大学と富山大学の研究チームは、脳内のグリア細胞を神経細胞へ直接変換する遺伝子治療アプローチを血管性認知症モデルマウスで検証し、海馬の炎症抑制とダメージ軽減、新たな神経細胞生成、認知機能の改善傾向を確認したと発表しました。神経誘導に関わる転写因子3種類(Ascl1、NeuroD1、Sox2)を導入しました。

手法は、グリア細胞に転写因子を入れて神経細胞へ「直接変換」させるもので、ANS投与により海馬の炎症が抑えられ、組織ダメージが軽減したとしています。グリア細胞は通常、神経の働きを支える細胞で、今回の研究は損傷部位の細胞を置き換える発想に基づきます。

血管性認知症は認知症の中で患者数が2番目に多い一方、根本治療が難しく、脳のダメージを直接修復する新しい治療法が求められてきました。成果は学術誌Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolismに2026年4月16日付で掲載され、DOIは10.1177/0271678X261441070です。研究はJSPS科研費(JP23K08543、JP24K14748)などの助成を受けました。

今後は、新たな神経細胞が生まれる詳しいメカニズム解明を進め、認知症で失われた記憶や認知機能の回復につながる新薬・治療法開発への応用が焦点になります。動物モデルで得られた知見を、人での安全性や有効性の検証へどう橋渡しするかが課題です。

【関連リンク】
詳細URL(岡山大学):https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1548.html
論文URL(Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism):https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0271678X261441070
資料PDF(詳しい研究内容):https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260521-2.pdf

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