ウォーターエイドジャパンは2026年3月19日、調査レポート「水なき出産(Born without water)」を公表し、サハラ以南アフリカの分娩施設で清潔な水や衛生サービスが慢性的に不足していると示しました。分析では出産の76%が「危険な」環境で行われ、敗血症(感染が全身に広がる重い状態)は9人に1人が発症するとしています。
出産関連の敗血症による死亡は同地域で年間約13,000人、1日あたり36人に相当する推計です。さらに、サハラ以南アフリカの女性は西ヨーロッパや北米と比べ、敗血症で死亡するリスクが144倍高いとしました。施設の実態として、清掃不十分が65%、手洗い設備や石けんなしが66%、適切なトイレなしが78%でした。
調査は、サハラ以南アフリカ10か国(ナイジェリア、ルワンダ、ザンビアなど)の分娩施設分析に加え、ホワイトリボン・アライアンスによるインタビュー結果も反映しています。対象はウガンダ4地域の1,000人、マラウイ5県の25施設で800人でした。レポートは、清潔な水・トイレ整備と手洗いの徹底で妊産婦の感染と死亡の少なくとも50%が防げる可能性があり、費用は1人当たり1ドル(約160円)未満と試算しています。
今後は、援助縮小で母子死亡率低下の取り組みが停滞・後退する懸念がある一方、低コストの水・衛生(WASH)整備で毎年8,580人の死亡防止や、産科敗血症の発症を年1,000万件防げる可能性が示されました。日本語版レポートは近日公開予定です。
【関連リンク】
調査レポート「水なき出産(Born without water)」英語版(ダウンロード):https://www.wateraid.org/jp/media/born-without-water
