アニコム損害保険などは1月27日、ミニチュア・ダックスフンドの進行性網膜萎縮症(PRA)に関わるRPGRIP1遺伝子の挿入変異について、遺伝子検査データと保険請求データを統合解析した結果、リスクアレルを2つ持つホモ接合個体の割合が2019年の11.1%から2020年に3.4%へ約70%減少したと示しました。解析対象は2014〜2022年生まれの30,800頭です。

PRAは遺伝性の眼疾患で、進行すると視力低下や失明につながります。日本では2010年代後半から消費者向け遺伝子検査が導入され、繁殖時にリスクの高い組み合わせを避ける動きが進む一方、特定の犬に繁殖が偏ると近親交配が増え、遺伝的多様性が下がる懸念がありました。

研究ではSNPアレイにより近交係数(FROH値)やゲノム全体の構造も比較し、リスク低下が進む中でも遺伝的多様性が維持されている傾向を確認したとしています。さらに長期保険契約情報を持つ378頭で、RPGRIP1変異とPRA発症の関連、初回請求年齢を分析し、PRA発症犬のうちホモ接合が57.1%を占め、初請求年齢のピークは11歳頃でした。

リスクアレルが減少した世代が成長する2020年代後半〜2030年代に、当該変異によるPRAは低下していくことが推定されます。一方でリスクホモ接合個体が少数残る可能性や、MAP9など他遺伝子の関与もあり、獣医療現場の知見と遺伝子検査を踏まえた繁殖判断が求められます。

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論文リンク:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451943X25001267
関連リンク:https://www.anicom-pafe.com/tands/tands_20260127.html

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