ロート製薬は12月17日、麻布大学と犬の皮膚細胞(犬角化細胞CPEK)を使った試験で、独自成分「ナノ化発酵セラミドプラス」がセラミド合成関連遺伝子の発現を高め、皮膚バリア機能の改善を示唆する結果を得たと明らかにしました。バリア指標では、細胞にダメージを与えた後の処置で経表皮水分蒸散量(TEWL)が有意に低下し、経上皮電気抵抗(TEER)が有意に上昇しました。
同成分は、犬皮膚で多種のセラミド産生に関与する酵素遺伝子(例:SPTLC1、SMPD1、GBA2、GALC)の発現増加が確認されたといい、複数の経路からバリア維持を後押しする可能性があります。さらに犬マクロファージ細胞株で炎症性サイトカインのIL-6、IL-8産生を測定したところ、ナノ化発酵セラミドプラス単独またはグリチルリチン酸ジカリウム(DPG)単独で低下し、併用で抑制が一層強まる傾向がみられました。
動物皮膚は被毛を含む構造差があり、人の知見をそのまま当てはめにくいとされます。今回の細胞レベルの結果を踏まえ、同社は今後、犬での臨床応用の可能性や犬種差・年齢差も考慮した検証を進めるとしています。
source: PR TIMES
