不妊治療経験者1,028人への調査で、来院後の待ち時間が「30分以上」89.3%、「1時間以上」61.5%、「2時間以上」15.3%となり、長時間待機が目立ちました。待ち時間の許容については「1時間以上で長い」と感じる人が約65%を占め、実態が許容範囲を超えている可能性が示されました。調査は東京都墨田区の「生殖医療クリニック錦糸町駅前院」を運営する一般社団法人生殖医療センターが2024年12月23日〜2025年1月6日にインターネットで実施しました。

クリニック選び(5つまで選択)では「妊娠率」48.1%が最多で、「家から近い」45.8%、「口コミ」44.6%が続き、「待ち時間が短い」は6.6%にとどまりました。待ち時間が問題化する一方で、選定理由としては優先されにくく、患者側に「短縮は期待しにくい」という見方がある可能性もあります。初めての検査先は「不妊治療の専門クリニック」69.8%でした。

プライバシー面では、待合室に他の患者がいることを「気にする」人が47.5%でした。転院経験は48.9%で約半数に上り、通院中の不満や条件の不一致が転院につながりうる実態がうかがえます。専門職への関心も強く、受精卵(胚)を培養する胚培養士の技術を「重要」とする回答は85.5%、担当培養士を選べるなら「選びたい」は68.5%でした。

費用では、保険適用外になっても58.2%が「治療を継続する」と回答しました。一方、適用外で「やめる」とした人(430人)でも、保険と同等額で自費診療が可能なら73.0%が継続意向を示し、負担額が継続判断を左右する構図が数字で裏付けられました。今後は、待ち時間の可視化や予約・会計の効率化、待合動線の改善など、利便性とプライバシーを両立する運用設計が、治療継続と医療機関選択に影響する要素として注目されます。

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