介護・福祉・医療業界向けのAI事業承継プラットフォームを手がける株式会社ケアのバトン(東京都渋谷区)は9日、クラウドファンディングサイト「For Good」で、障害当事者と共に介護福祉事業の経営教材と事業承継AIを開発するプロジェクトを始めました。目標金額は50万円で、2024年12月9日から2026年2月27日までの81日間、500円から支援を受け付けます。集まった資金の80%を障害当事者の就労機会創出に充てるとしています。

背景には、介護事業者の倒産・休廃業の急増があります。東京商工リサーチによると、2024年の介護事業者の倒産は172件(前年比40.9%増)、休廃業・解散は612件(同20.0%増)で、合計784件と2000年の介護保険制度開始以降で最悪水準でした。特に訪問介護は倒産81件、休廃業448件の計529件で全体の67%を占め、小規模事業者の後継者不在や経営ノウハウの不足が深刻化しています。

プロジェクトでは、倒産・廃業増加という構造的課題に対し、①介護福祉の持続可能な経営モデルの構築支援、②YouTube番組「ケアのバトンTV」を通じた「ケア×経営」教材の制作、③少額コストで事業承継を進められるAIプラットフォームの開発、の3点に取り組みます。生成AIを活用することで、M&A仲介や専門家調査(デューデリジェンス)に高額な費用を払えない小規模事業者の事業承継を円滑化する狙いです。

特徴は、障害当事者と伴走する点で、動画編集やWebマーケティング、プロダクトのテスト、データ登録などの業務を就労継続支援A・B型事業所やフリーランスの障害者に発注します。残り20%はクラウドファンディングのリターン提供やシステム開発費、YouTube運営に充てられます。支援者にはデジタル会員証を発行し、将来的に限定イベントや資料閲覧などの特典も予定しています。

同社は、障害者週間最終日の始動を象徴的な一歩と位置づけ、障害者の社会参加を広げながら介護福祉業界の事業承継問題の緩和につなげたい考えです。今後、開発する教材やAIプラットフォームの実用性や普及度合いが、倒産・廃業件数の抑制にどこまで寄与するかが問われそうです。

【クラウドファンディング情報】

障害当事者と共に、介護福祉の「経営教材制作」と「事業承継AI開発」に挑戦したい!

実施期間:2024年12月9日〜2026年2月27日

目標金額:50万円

主なリターン:デジタル会員証、番組企画会議参加、代表とのオンライン対話、YouTube出演、スポンサー枠ほか

source: PR TIMES

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