2025年11月、中国・長沙で開かれた国際学術会議「2025 International Scientists Forum」で、東京がん難病支援センター所長の秋山真一郎医師（McGill大学医学部客員教授）が基調講演に登壇し、幹細胞培養上清液（Stem Cell Supernatant）を用いた治療アプローチの臨床成果を発表しました。標準治療後も回復が難しい「不可逆的病態」への適用可能性を論点に据えました。
幹細胞培養上清液は、培養液中に含まれるサイトカイン（細胞間の情報伝達物質）やエクソソーム（細胞由来の微小な粒子）などの生理活性物質に着目する手法です。同氏は、進行がんや神経変性疾患、加齢に伴う機能不全などで、薬物療法だけでは届きにくい領域に対し、QOL（生活の質）の改善や病勢コントロールで改善の可能性があるとするデータを示しました。一方で、標準治療と対立するのではなく、効果が及びにくい未充足の医療課題（アンメット・メディカル・ニーズ）を補完する「選択肢」として位置付けました。
今後は海外研究機関との共同研究や、次の国際学会での追加データ発表を計画しており、国境を越えた医療連携を通じた検証と情報発信が進む見通しです。
【関連情報】
東京がん難病支援センター 公式サイト
発表内容関連ページ
https://gan0support.com/2025-international-scientists-forum/
source: PR TIMES