岡山大学の研究チームは、女性ホルモンのエストラジオール-17β(E2)がウシ卵管の平滑筋緊張度を、排卵前と排卵直後で異なる仕組みにより直接制御することを明らかにしました。成果は学術誌「Reproduction」に2026年2月16日付で掲載され、2月19日の岡山大学定例記者会見で公開されました(DOI:10.1093/reprod/xaag004)。

卵管の平滑筋緊張度は、卵子や受精卵の移送に関わる卵管の収縮・弛緩運動の基本となります。E2は卵管運動に関与するとされてきましたが、排卵前後で緊張度に与える直接作用と分子機構は十分に整理されていませんでした。

研究では、排卵直後のウシ卵管でE2がRhoキナーゼ(ROCK)を活性化し、緊張度を急速に増加させることを確認しました。一方、排卵前の卵管では、ROCK活性化を阻害するタンパク質RND3が高発現しており、E2による緊張度増加が抑えられることが示されました。排卵前は血中E2濃度が高い時期にもかかわらず反応が出にくく、排卵直後の低い時期に増加効果が出る点が特徴です。

この知見は、卵管機能に基づくヒト不妊治療の研究や、家畜の受胎率向上を狙う繁殖技術の開発に応用が見込まれます。今後は、E2—ROCK—RND3経路を踏まえた介入手法の検討や、他種動物・臨床領域での再現性確認が課題となります。

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論文URL:https://academic.oup.com/reproduction/article/171/2/xaag004/8439658
詳細PDF:https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20260219-6.pdf
研究ユニット:https://www.okayama-u.ac.jp/user/repphys/index.html

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