医療AI推進機構(MAPI、東京都中央区)が参画した研究チームは、2024年12月31日までにPMDAが承認したSaMD 151件のうち、AI技術を用いた放射線科向け20製品を対象に、添付文書に記載された臨床エビデンス開示の透明性を分析し、その結果が日本医学放射線学会の英文誌「Japanese Journal of Radiology」に掲載されました(DOI:10.1007/s11604-025-01942-y)。

研究では、学術論文やメーカー資料ではなく「添付文書の記載情報のみ」を用い、製品概要、適応領域、試験デザイン、症例数や患者背景、性能評価指標の開示状況を体系的に整理しました。AI医療機器は患者背景や撮像条件、医療機関の運用環境で性能が変わり得るため、現場で参照される添付文書の情報量が重要だとしています。

主な結果として、患者背景(年齢・性別・国籍など)が網羅的にそろって記載されている例は確認されず、性能評価指標の記載にも製品間でばらつきがあり、添付文書だけでの直接比較は容易ではないとされました。一方、医師支援試験を実施した製品ではAI併用による診断性能向上が示されていたものの、患者特性ごとの層別解析結果は添付文書上で確認されませんでした。

今後、臨床現場での適切な導入・評価に向け、添付文書における記載の標準化や、比較可能性を高める情報開示の整備が論点になり得ます。MAPIは、次世代医療基盤法や個人情報保護法の知識を踏まえ、透明性課題を考慮した薬事支援・研究開発支援を、研究から実装まで一貫して進めるとしています。

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論文掲載ページ:https://link.springer.com/article/10.1007/s11604-025-01942-y
公式HP:https://mapi-jp.org

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