岡山大学資源植物科学研究所などは、植物発酵エキスが人工胃液(酸性)・人工腸液(中性)中でマイクロプラスチックと結合することを確認し、消化管からの体外排除を促す可能性を示した。結合率は酸性条件の人工胃液で、中性条件の人工腸液より高かった。研究は消化液を模した環境で、エキスと微小なプラスチック粒子の付着を評価したもの。酸性下ではエキス中の成分が荷電(電気的な偏り)し、イオン相互作用によりマイクロプラスチックと結びつくと推測している。結合が強まれば腸から体内へ取り込まれるリスク低減が期待される一方、現時点は人工消化液での検証であり、実際のヒトでの排出量増加などは今後の課題となる。研究成果は学術誌「Current Nutrition and Food Science」に2025年8月13日付の論文として掲載された。今後は、結合に関与する成分の特定や、生体内での排出促進効果の検証が焦点になる。
【論文情報】
誌名 Current Nutrition and Food Science
掲載日 2025-08-13
DOI https://doi.org/10.2174/0115734013404286250806063403
source: PR TIMES
