岡山大学とアルケアは、皮膚バリア機能の指標である経皮水分蒸散量(TEWL)を、角層の電気抵抗と電気容量から瞬時に推定する計算モデルを開発した。試作した測定機器では測定自体は5秒で、事前準備を含めても約5分で完了するという。従来のTEWL測定は測定自体約20秒、準備を含め合計15分以上かかり、測定環境の制限や複数回測定の推奨もあって臨床現場で普及しにくかった。新モデルにより、角層(皮膚の最外層)の「厚さ」「水分量」「TEWL」を同時に推定できる可能性があり、皮膚状態の変化を数値で捉えてトラブルの予兆に基づく早期の予防的ケアにつながるとする。成果は2025年にJournal of Medical and Biological Engineering(45巻591-599頁)に掲載され、研究はアルケアの支援で実施された。今後は、臨床での評価手順の整備や活用領域(皮膚科学、看護、化粧品開発)ごとの検証が進む見通しだ。
【研究情報】
DOI https://doi.org/10.1007/s40846-025-00967-y
source: PR TIMES
