TGC東京がんクリニック(東京都中央区)は、認知症を合併するがん患者が治療を継続しやすいよう、多職種連携や意思決定支援、家族支援などの包括的なサポート体制を強化しました。背景には、厚生労働省推計で2025年に認知症高齢者が約700万人に達する見込みとされ、がん患者の高齢化と重なって「認知症×がん」の医療ニーズが増えるという課題があります。認知症併存では、治療説明の理解や同意取得、痛み・副作用の訴え、通院や服薬の継続が難しくなり、治療中断につながる恐れがあるといいます。同院は医師・看護師に加え、大学や認知症関連企業とも連携し、認知機能や身体状況、本人の価値観を踏まえた個別化治療計画を提案するとしています。待ち時間短縮など外来環境にも配慮し、必要に応じて連携医療機関と情報共有して継続ケアを支援します。家族に対しては定期カンファレンス等で見通しを共有し、相談支援も行います。院長の小林賢次氏は、治療は「がん細胞をたたくことだけが目的ではない」とし、本人らしさを尊重した全人的サポートの重要性を述べました。高齢化が進む中、標準治療に加え負担軽減も視野に入れた選択肢提示がどこまで広がるかが今後の焦点です。
