株式会社TL Genomics(本社・神奈川県藤沢市)は2026年3月17日、静岡県のスタートアップ支援制度「ファンドサポート事業」による支援と、MVC(名南グループのVC)からの出資で資金調達を完了し、骨髄移植後のがん再発兆候を検出するDNA検査「キメリズム検査」(InDel-dPCR法)の製造販売承認と保険適用取得、静岡県内でのIVD(体外診断用医薬品)製造拠点整備を進めると発表しました。対象となる同種造血細胞移植は日本で年間約3,500件とされます。
キメリズム検査は、移植後の血液中に患者由来細胞がどの程度混在しているかを定量し、再発の兆候を早期に捉える用途で用いられます。一方、日本では保険適用の診断キットが存在せず、異性間FISH法は適用制限があり、STR-PCR法は保険適用外で費用負担が課題とされます。同社は、従来のSTR-PCR法の検出限界が5%超とされるのに対し、0.5%まで検出でき、感度は約10倍と説明しています。
開発は大阪大学医学部附属病院(血液腫瘍内科学、福島健太郎准教授)との共同研究に基づき、臨床研究100症例で有用性を確認したとしています。共同特許は特願2023-182457です。コスト面では海外製品比で約1/20を目指し、キット目標価格はタイピング用25,000円/テスト、モニタリング用15,000円/テストとしており、既存のSTR-PCR法(タイピング+モニタリングセット)36,000円との比較材料を示しました。
今後は2026年に承認申請と研究用キット販売、2027年に保険適用申請、2028年に上市・保険診療開始を予定し、2026年内に静岡県内でIVD製造拠点整備を進める計画です。将来的には家庭用PCR装置や無痛自己採血キットを活用した在宅検査(POCT)展開も視野に入れるとしています。
【関連リンク】
公式HP: https://tlgenomics.com
データ出典(造血細胞移植学会 全国調査 2024年度報告書): https://www.jdchct.or.jp/data/report/2024
