一般財団法人パルシステム若者応援基金は12月3日、児童養護施設で暮らす子どもたちの現状をテーマにしたオンライン学習会を開き、約50人が参加しました。講師は千葉県いすみ市の児童養護施設「子山ホーム」園長・吉田正浩さんで、虐待経験や発達障害など多様な背景を抱える子どもたちの暮らしと自立の課題が共有されました。
学習会では、児童養護施設で暮らす子どもたちは「普通の子ども」でありながら、保護者を頼れないという事情を抱えていることが説明されました。全国610カ所の児童養護施設には2万3,008人が入所し、保育士や児童指導員、相談員など2万639人の職員が生活と心のケアを支えています。入所理由は虐待が半数を超え、子山ホームでは虐待がほぼ9割を占めると報告されました。発達障害や知的障害などの疑いを含む子どもは6割近くにのぼり、医療・福祉機関との連携が欠かせません。
一方、施設を巣立つ18歳前後の若者は、進学や就職に伴う生活不安を強く抱えやすく、親の支えがないことで一度のつまずきが大きなリスクになる現実も示されました。パルシステムの給付型奨学金は、利用者からの募金をもとに毎月4万円を支給し、支援団体による伴走型支援と社会体験プログラムで自立を後押ししています。2025年度の寄付総額は3,864万9,758円、累計は2億4,064万7,082円となり、毎月寄付を続けるサポーターは1万2,258人に達しました。
今後も基金は、奨学生への経済支援に加え、学習会などを通じて社会的養護への理解を広げ、「すべての子どもを社会全体で育む」という意識づくりを進めるとみられます。地域住民や企業が当事者の声に触れ、身近な若者に気づき、声をかけることが求められています。
【奨学金制度情報】
パルシステム給付型奨学金
2019年度創設/2021年度から本格運用
毎月4万円を給付・19団体が伴走型支援を実施
累計募金額 2億4,064万7,082円(2025年11月末時点)
source: PR TIMES
