兵庫県丹波篠山市で、郷土料理「ぼたん鍋」の本格シーズンが始まった。市内では約40店舗が提供し、狩猟解禁日の11月15日以降、旬の猪肉と地元野菜を味噌で煮込む味わいが楽しめる。猪肉は養殖ではなく天然が中心で、秋に木の実や穀物を食べて適度に脂を蓄えるため、しつこさが少なく旨味が出やすい点が特徴だ。発祥は明治時代にさかのぼるとされ、昭和6年(1931年)には民謡「篠山小唄」に名称が登場。2007年には農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に兵庫県代表として選ばれ、2022年には文化庁の「100年フード」に認定され「有識者特別賞」も受賞した。市はふるさと納税の返礼品として猪肉・ぼたん鍋も用意しており、今後も食文化の継承と来訪促進の両面で活用が進む見通しだ。

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