2025年11月に実施された「クマ被害に関する1000人アンケート」で、回答者の78.9%がクマの出没に不安を感じていることが分かりました。最も心配している被害としては、81.6%が人的被害と回答しており、命や身体への危険が強く意識されている実態が浮き彫りになりました。

調査は20代~80代の男女1,000人を対象にWebで行われたものです。情報収集源は「新聞・テレビ・ラジオ」が821人と最多で、「SNS・インターネット」が429人と続き、マスメディアとネットの双方からクマ関連情報を得ている人が多いことが示されました。対策としては「殺処分はやむを得ない」とする回答が7割に達し、出没増加を前に安全確保を優先する意識が強い一方で、駆除に対する葛藤もうかがえます。

自由回答では、クマのエサとなるドングリ不足を補うためのブナ科の植林や、ドローンで山中にドングリをまく案、メガソーラー開発による生息地減少への懸念など、多様な意見が寄せられました。農作物被害については、生産者の意欲低下や防護柵設置などの対策コスト増が地域経済にも波及するとの指摘が出ており、被害は農家だけでなく地域全体の問題になりつつあります。

今後は、出没増加の背景にある山林環境の変化を検証しながら、人的被害防止と野生動物保護をどう両立させるかが課題です。調査結果は、殺処分だけに依存しない中長期的なクマ対策を議論するための基礎資料として、行政や自治体、地域住民の取り組みに活用されることが期待されます。source: PR TIMES

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