パルシステム生活協同組合連合会は2026年1月8日、東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金の2024年度助成団体によるオンライン報告会を開きました。募金総額は2024年4月1日~2025年3月31日の1年間で1,110万5,360円です。事故から15年を控える中、支援の長期化に伴う課題が共有されました。

神奈川県平塚市の「福島の親子とともに・平塚」は、福島県内の家族を招く保養活動を継続し、2025年は春夏冬の3期で11家族18人を受け入れました。資金難や支援者の高齢化で活動を終える団体が増え、予定数を超える申し込みがあるといいます。参加者は新規が多く、放射能への不安を周囲に言い出せない親が交流会で初めて胸中を語れた事例も紹介され、記憶の継承の場にもなっていると説明しました。助成金は交流会・学習会用のプロジェクター購入に充て、今後は子育て世代同士の交流機会も作る方針です。

福島県南相馬市の「震災ストレス研究会」は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心の傷を抱える人が体験を語る場「おらもしゃべってみっが」を2025年に5回開催しました。自主避難への負い目を抱えた医療従事者や津波を目の当たりにした人が、今もつらい記憶がよみがえる現状を語り、傷が完全に消えるわけではない一方で、語ることが精神的負担の軽減につながる意義を示しました。助成金は告知を含む開催費用に活用し、プライバシー配慮で限定開催が多かったため、参加していない人に伝える方法も検討するとしています。

報告会では、原発事故被災者支援が「特別な出来事」ではなく、継続的な居場所づくりと受け入れ体制の確保が問われていることが浮き彫りになりました。パルシステム側は、応援金が甲状腺検査や避難者交流会、保養キャンプなどに活用されているとし、今後もニーズの把握と支援のあり方を検討していく必要があるとみられます。

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