資生堂は2025年12月15日、ウォーターベース(Oil in Water型)ながら高い耐水性と紫外線防御力を保ち、外部環境の湿度変化に応じて肌表面の水分量を調整する新しい日焼け止め技術を開発したと明らかにしました。

技術の核は、汗や海水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンと反応する石鹸由来成分を利用し、塗布膜表面に特殊構造をつくって撥水性と密着性を高める点です。従来、軽い使用感のウォーターベースは汗や水で落ちやすく、耐水性確保に紫外線散乱剤や被膜剤が必要とされ、白浮きや衣類への白移りの要因になっていました。今回の技術はそれらを使わず、水より軽く柔軟でヨレにくい膜を形成し、透明な仕上がりも狙います。

また資生堂は、急激な湿度変化で炎症因子IL-1α(シミの起点になり得る因子)が活性化する知見を背景に、乾燥下では水分保持、湿潤下では過剰水分放出へ自発的に切り替える水分透過制御技術(2022年開発)を応用し、IL-1α活性化の抑制が期待できるとしています。成果の一部は2025年12月8~10日のSCCJ学術大会で発表され、今後は「高UV防御と快適性」の両立に向けた製品化展開が焦点になります。

source: PR TIMES

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