三重県名張市で2025年12月7日、高校生が開発した「鹿肉ヘルシーキーマカレー」の試食イベントが開かれ、会場には開始直後から行列ができる盛況となりました。鹿肉は県内で年間多数が捕獲されながら十分に活用されておらず、県は「低利用食材」の有効利用と獣害対策の両立を目指しています。
三重県ではニホンジカやイノシシによる農作物被害、交通事故などの「獣害」が深刻化しており、個体数調整のための捕獲が進む一方、その多くが廃棄されてきました。同時に、海ではアイゴなど植食性魚類による「磯焼け」が進行し、藻場の減少が水産資源に影響を与えています。県はこうした捕獲獣や未利用魚を「地域資源」と位置付け、「食べる環境対策」として商品・メニュー開発を推進しています。
今回のプロジェクトでは、北海道のLAMPS株式会社が受託し、三重県立名張高校2年生が地域事業者と協力して鹿肉カレーを企画。クセを抑えて柔らかく仕上げた鹿肉に伊賀牛を合わせ、スパイスの香りを立たせたキーマカレーとしました。試食では「ジビエのイメージが一気に変わった」「普段カレーを食べないが鹿肉なら挑戦したい」などの声が寄せられ、辛さや香りの改善提案も多数集まりました。
高校生は来場者に直接商品を手渡し、「なぜ鹿肉なのか」「獣害の現状」などを説明。世代を問わず地域住民から共感と期待の声が上がり、生徒たちにとっては地域課題を「自分ごと」として捉える探究学習の場となりました。県は得られたフィードバックをもとに商品改善やプロモーションを検討し、未利用資源を生かしたメニューの継続的な開発と、若い世代を巻き込んだ里山保全モデルの定着を目指す方針です。
【イベント情報】
隠 BALIBALI NABARI fes(ばりフェス)内「三重県×高校生 食べて守ろう!里山の未来〜鹿肉活用試食会〜」
開催場所 名張市役所市民広場(三重県名張市鴻之台1番町1)
開催日 2025年12月7日(日)12:00〜17:00(試食はなくなり次第終了)
source: PR TIMES
