従業員1,000人以上の企業に勤める部長・課長クラスのミドルマネジメント105人への調査で、部下のキャリア自律支援に対する自己評価は平均58.1点にとどまりました。理想を100点とした時に「50点以下」と答えた層も30.4%おり、支援の必要性を理解しながらも十分に実行できていない実態が浮かび上がりました。

上司が部下のキャリア自律を重要と考える理由は、「自己成長・スキル向上のため」56.2%、「将来のキャリア形成・パス明確化のため」53.3%、「モチベーション・エンゲージメント向上のため」53.3%が上位でした。理想的な支援策としては「定期的な1on1やキャリア対話の実施」が53.3%で最多となっています。

一方で、実際に取り組んでいる施策としては、「定期的な1on1による支援」63.8%、「スキルの可視化による強み・課題整理」47.8%などが挙がり、効果が高いと感じる施策も「定期的な1on1」が52.9%で1位でした。しかしその実践には課題も多く、実践者の58.8%が「部下が本音を話せる心理的安全性をつくるのが難しい」と回答し、「1on1が業務報告で終わってしまう」39.7%など、対話の質に悩む声が目立ちました。

支援できていない理由としては、「自分自身のキャリアすらイメージできていない」37.5%、「業務が忙しく時間が取れない」28.1%が上位となり、管理職本人のキャリア不安や業務過多も障壁になっています。今後強化したい点として「コーチングスキル」44.8%、「対話力」43.8%、「1on1を上手く活用する力」41.0%が挙げられ、マネジャー側のスキル開発ニーズは明確です。今後は、コーチング研修や1on1設計の支援に加え、管理職自身が自身のキャリアを見直す機会を組織としてどう確保するかが、人的資本投資の具体化に向けた鍵となりそうです。

【調査データ・ダウンロード情報】

ビジネスコーチグループ B-Connect株式会社

調査名:ミドルマネジメント層による部下のキャリア自律支援に関する実態調査

調査期間:2025年10月22日〜10月23日

対象:従業員1,000名以上の企業に勤める部長・課長 105名

source: PR TIMES

Share.