株式会社QTnetは福岡県と共同研究を行い、生成AIの回答精度を高める新手法「ユーザー誘導型グラウンディング」を開発しました。これは、検索拡張生成(RAG)に独自改良を加えたもので、行政事務で問題となっていた質問と回答の「ミスマッチ」や、事実無根の回答「ハルシネーション」を大幅に減らすことを狙います。福岡県庁では2024年12月からQTnetの生成AIプラットフォーム「QT-GenAI」を利用しており、新手法の導入により庁内問い合わせの自動対応精度が向上するとしています。

新手法では、職員が生成AIに質問すると、AIが関連性の高い規定やマニュアルなど複数の情報源を候補として表示し、職員が意図に最も近いものを選びます。これによりAIが参照すべき資料が明確になり、行政特有の専門用語や制度の細かな違いによる誤解を減らせます。結果として、同じ質問を何度も聞き直す手間が減り、問い合わせ対応の時間短縮と職員の満足度向上につながると見込まれています。

福岡県は、この技術を庁内の手続きや庶務に関する問い合わせに用い、将来的には県民や事業者からの外部問い合わせ対応にも広げる考えです。QTnetは新機能として全国の自治体や企業にも提供し、生成AIの「精度の壁」という共通課題の解消と業務効率化・生産性向上への貢献を目指すとしています。

source: PR TIMES

Share.