米テキサス州のForward Edge-AI, Inc.が、米ミサイル防衛局(MDA)の「SHIELD(Scalable Homeland Innovative Enterprise Layered Defense)契約」において主導企業に選ばれました。契約総額の上限は約1,510億米ドルとされ、国家防衛ネットワーク構想「Golden Domeイニシアチブ」を支える大型案件です。日本で同社との合弁会社設立を進める株式会社アクリートにとっても、量子耐性サイバーセキュリティ製品「Isidore Quantum®」の評価を裏づける出来事となります。
Forward Edge-AI社が高く評価された理由は、ポスト量子暗号(量子コンピュータでも解読されにくい暗号)に対応した実戦レベルの製品群にあります。中核となる「Isidore Quantum®」は、既存システムに大きな改修を加えずに組み込める「ドロップイン式ポスト量子サイバーセキュリティソリューション」で、米国防総省関連では陸軍、空軍、海軍、宇宙軍などで合計30件のパイロットプログラムを完了しています。FIPS 140-3認証のハードウェアプラットフォームとして、2025年12月までに求められるポスト量子移行に対応可能と説明されています。
アクリートとForward Edge-AI社は、日本での量子耐性セキュリティ普及に向け、合弁会社「Forward Edge-AI Japan株式会社」の設立準備を進めています。同社はIsidore Quantum®などの国内販売総代理店として、防衛、重要インフラ、金融などの分野で日本のデジタルセキュリティ強化を目指す計画です。量子コンピュータの進展に伴い、既存の暗号方式が弱体化する懸念が高まる中、今回のMDA契約は日本におけるポスト量子セキュリティ導入の後押しとなる可能性があります。一方で、国内での具体的な採用時期や導入規模は未定であり、今後の制度整備やユーザー側の投資判断が普及の鍵となりそうです。
source: PR TIMES
