イリジウム製るつぼを使わずにβ-Ga2O3(酸化ガリウム)結晶を育てる新手法「Drop-fed Growth(DG)法」が開発され、95mm径・育成長50mmの結晶作製に成功しました。貴金属使用量を大幅に減らし、基板製造コストを従来比10分の1にできると試算されています。
β-Ga2O3はワイドギャップ半導体で、家電や産業機器、電気自動車の数百ボルト級から、鉄道・電力系統の数キロボルト級まで、低損失のパワーデバイス用途が期待されています。一方、融点が約1800℃と高く、従来のEFG法では高温に耐えるイリジウムるつぼが大量に必要でコスト低減が課題でした。DG法は誘導加熱で加熱室を高温化し、種結晶表面を開口部からの輻射で加熱溶融、原料融液を液滴で連続供給して結晶を成長させます。今後は大口径化と品質向上を進め、2029年に150mm(6インチ)、2035年に200mm(8インチ)基板の出荷を予定しています。
source: PR TIMES
