レーザーを使った無線電力伝送に取り組む米スタートアップPrime Movr LLCが、日本市場向けに小型ワイヤレス給電システムを導入します。東京のNirvana Consultant KKと連携し、レーザー光を電気に変換してケーブルなしでデバイスに給電する仕組みで、長距離でも狙った機器へ効率的にエネルギーを届けられる点が特徴です。
同社のシステムは、光を集める効率を高めたコンパクト設計で、送受電の変換効率向上をうたっています。開発は米国で設立された国際コンソーシアム体制で進み、研究拠点は主にインドと日本に置かれています。用途として、バッテリー交換や配線が難しいドローン、軍需、物流システム、遠隔地のセンサーや屋外カメラなどが想定され、特に「有線充電が現実的でない場所」での利用を見込んでいます。
レーザー送電は、電波(RF)による無線給電と比べてエネルギー密度が高く、光を細く絞って狙った方向に送れるのが利点です。一方で、障害物に弱いなどの制約もあり、Prime Movrはカシミール大学工科大学とRF方式の技術開発も並行して進めています。世界ではDARPAや三菱重工業とNTTなどが1キロメートル級の長距離レーザー送電実験を進めるなか、同社は小型・近距離分野での実用化を狙う立場です。
今後は、日本での実証案件や産業パートナーとの連携を通じて、安全基準や法規制への対応、コスト低減が進むかどうかが普及の鍵になります。将来的には、電源配線のない監視インフラや自律ロボット群など、低炭素で保守負担の少ない電力供給モデルの構築につながる可能性があります。
source: PR TIMES
