台湾証券取引所(TWSE)の林修銘取締役会長と台湾の資産運用会社6社が日本を訪問し、東京証券取引所や国内運用会社と協議しました。2025年9月に開始した日台初のクロスボーダーETF相互上場では、台湾側の「NEXT FUNDS – Nomura TOPIX Feeder ETF」(コード009812)の運用資産残高(AUM)が上場来で89%増、日本側の「NEXT FUNDS TIP FactSet 台湾イノベイティブ・テクノロジー50」(412A)と「iFreeETF キャセイ台湾テックリーダー指数」(413A)のAUMがそれぞれ410%、522%伸びており、個人投資家を中心に相互投資が急速に拡大しています。

TWSEは、日本と台湾の運用会社同士の対話を通じて、クロスボーダーETFの設計や投資家層、人気テーマ、売買や流動性確保の実務面を共有し、商品開発のノウハウを深める狙いです。台湾ではETF市場のAUMが2025年11月時点で2,356億米ドルとアジア3位の規模に達し、投資信託全体に占める比率は66%超に拡大しました。受益者数は1,580万人と証券口座数1,366万を上回り、浸透率は115.7%に達するなど、個人マネーのETFシフトが顕著です。

台湾株式ETFは市場成長を牽引しており、投資家の75%が保有、AUMは1,144億米ドルと市場全体の5割超を占めます。2024年末には金融監督管理委員会がアクティブETFやマルチアセットETFを認可し、指数プロバイダー、運用会社、証券会社が役割を分担するエコシステムが整備されました。加えてFTSEやMSCI、S&Pなど主要指数との連携により、関連AUMは2,300億米ドルに達しています。東京での記者会見では、台湾側からアジアアセットマネジメントセンター(AAMC)構想の説明や、ETF市場の概要、クロスボーダーETFの運用経験が共有されました。

今後は、日台の産業構造の相関性を背景に、テクノロジーや高配当、マルチアセットなど多様なテーマでの新規クロスボーダーETF創設が見込まれます。ただし、為替や規制の違い、流動性確保など課題も残っており、両市場が制度面と投資家教育を進められるかが、台湾をアジアの資産運用拠点として定着させるカギになりそうです。

【商品・市場データ】

台湾ETF市場AUM:2,356億米ドル(2025年11月時点)

ETF受益者数:1,580万人(2025年10月時点)

ETF積立投資口座:216.9万口座(2025年10月時点)

日本上場ETFコード:412A、413A

台湾上場ETFコード:009812

source: PR TIMES

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