AIによる自動取引の暴走事故を防ぐため、日本のVeritasChain Standards Organization(VSO)が開発した監査プロトコル「VeritasChain Protocol(VCP)v1.0」が、EUや米国CFTC、英国FCA、インドRBI・SEBIなど世界20の金融規制当局(14法域)に正式提出されました。VCPはAI取引の全工程を改ざん不能な証跡として残すことで、原因不明の市場崩壊リスクを抑えることを狙います。
背景には、株や為替などのAIアルゴリズム取引が急増し、人間の100〜1000倍のスピードで売買が連鎖する状況があります。過去のリーマンショック級の危機では、後から原因を分析して規制を整えてきましたが、AI時代の暴落は「秒」で世界へ波及し、数万人〜数百万世帯が被害を受ける懸念が指摘されています。EUはAI規制法(AI Act)で透明性義務を掲げたものの、実装困難から2027年まで先送りされており、世界的に「事故が起きるまで本質的対策が進みにくい」安全ギャップが生じています。
VCP v1.0は、AIがどのような要因で判断し、どのタイミングでどの取引を行ったかを、暗号技術を使った監査証跡(ハッシュチェーンやMerkle証明)として記録する仕組みです。書き換えや削除が数学的に困難なため、事故発生時に「誰のどのアルゴリズムが原因か」を後から検証できます。VSOはこれを航空機のフライトレコーダーになぞらえ、「事故後ではなく事故前に学べる文明をつくる」と説明し、金融だけでなく自動運転や医療AIなど高リスク分野への応用も視野に入れています。
一方、日本にはAI金融監査の正式な提出窓口がまだなく、VSOは金融庁や業界団体との対話を求めています。今後、各国のルール形成過程でVCPがどこまで採用されるか、日本発技術が国際標準の一部となるかが焦点となりそうです。
【サービス情報】
VeritasChain Protocol(VCP v1.0)オープンソース公開
GitHub https://github.com/veritaschain
公式サイト https://veritaschain.org/
source: PR TIMES
